採血された血液はまずやや黄色がかった液体(血清)と赤血球などが含まれる赤い層(血餅)に分ける遠心分離という作業を行います。生化学検査ではこの血清という液体の中にブドウ糖、コレステロール、カルシウムや酵素などのいろいろな成分がどれくらいあるかを分析します。分析には写真のような分析装置を使用します。この分析結果は病気の原因や状態の判断に用いられます。
輸血検査は、手術や貧血の患者さんに安全に輸血が行えるよう血液型や不規則抗体等の検査を厚労省の適正指針に則り、全自動輸血検査システムを用いて測定しています。
免疫検査は、癌関連マーカー(癌関連物質)やウイルス性肝炎(A型・B型・C型)・HIV、甲状腺ホルモン等の検査を免疫測定装置にて測定を行っています。
細菌検査室では尿、喀痰や血液など様々な検査材料を培養し、感染症の原因となるような細菌の種類やどの種類の抗菌薬が効くかを調べています。新型コロナウイルスの検査は大量に検査可能な抗原検査と高感度な遺伝子検査を使い分けて実施しています。また、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどの結果が15分以内に出る迅速検査や、結核菌やマイコプラズマの遺伝子を増幅させて検出する検査も行っています。
院内感染対策では感染制御チーム(ICT)や抗菌薬適正使用支援チーム(AST)に参加し、薬剤耐性菌の監視や抗菌薬の適正使用の推進を支援しています。
生理検査には、生体からの信号をいろいろな検査機器を用いて記録し、検査する方法と各臓器の形態を画像として描出し、検査する方法があります。
なかには患者さんの協力、頑張りがなければ診断に充分な結果が得られないものもありますので、ご協力をお願いします。
患者さんの病変部を内視鏡検査等で採取した生検材料や、手術で摘出した臓器・腫瘍組織から顕微鏡で観察するための標本を作製しています。
作製された標本は病理医が診断します。細胞診検査では、喀痰や胸・腹水、婦人科領域からの材料をガラス板に塗り、染色して顕微鏡で判定を行っています。また、患者さんが病気により亡くなられた場合、ご家族の承諾のもと病理解剖が行われることがあります。その際の介助や、摘出した臓器から標本の作製も行っています。
主に、尿検査を行っています。尿中のタンパク、糖、潜血など10項目を試験紙で検査し、必要に応じて尿中の細胞を顕微鏡で見ています。尿中の細胞を顕微鏡で見ることで、腎臓の状態を推定したり、癌を疑う細胞を発見できる事もあります。
他に、便潜血検査や妊娠反応、精液検査を行っています。
採血した血液はそのまま放置すると自然に固まります(凝固)が、抗凝固剤という薬を混ぜて固まらないようにします。
この血液を用いて血液中の白血球、赤血球、血小板の数や大きさを分析装置で測定します。また、顕微鏡を使い血球の形を観察し、白血病や貧血などの診断に役立てます。その他に血を止める成分の検査をします。これは、抗凝固薬(ワーファリンなど)などの投与量を決めたり、手術前後の身体の状態判断に用いられます。