私たち臨床工学技士は医師の指示のもとに生命維持管理装置の操作および医療機器(ME機器)の保守点検を行う職種で、医学と工学の両面を兼ね備えた国家資格です。医師・看護師や各診療部門と連携を図り、「より高度で安全な医療」の遂行に努めています。
私たちが扱っている生命維持管理装置は、患者の生命を直接的に左右させる装置です。その操作には豊富な知識と高度な技術が必要です。また輸液ポンプやシリンジポンプ等の医療機器です。定期的な点検だけでなく、微細な異音を感じ取る真摯な感性が必要です。
高度で安全な医療が提供できる様に、関係各種の学会に積極的に参加して新しい情報を吸収して日々研鑽しています。
当病院の臨床工学科は2023年度、常勤10名の体制で運営しております。
業務場所は手術室、ICU、透析室、病棟、外来と多岐にわたっております。
手術室では人工心肺業務、TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)の補助、ロボット支援手術(ダ・ヴィンチ)の稼働、その他多くの医療機器の管理や運用に携わっております。ICUでは血液浄化やECMO、人工呼吸器の管理などに、透析室では血液透析や顆粒球吸着に、病棟では出張透析や各種医療機器の管理に、外来ではペースメーカーの設定や管理などに携わっております。
今後は、心カテ室での医師業務の補助、術後疼痛管理チームへの参加も予定しております。院内医療機器の一元管理をさらに徹底し、医療安全を推進し、院内業務の拡大にも努力して行きたいと思います。
臨床工学科長(副院長兼麻酔科部長) 富田 行成