経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI/TAVR)とは

 大動脈弁狭窄症と診断された患者さん、あるいは過去に開胸で置換した大動脈弁位生体弁が構造的劣化をきたした患者さん、開胸手術が不可能もしくは開胸手術リスクが高い患者さん等に実施可能な治療方法です。足の付け根などからカテーテルデバイスを用いて、大動脈弁位に人工弁を植え込む方法で、胸を大きく切ったり、心臓を止めたりする必要がなく、体への負担が少ないことが一番の特徴です。
 透視装置を使用して、折りたたんだ人工弁をカテーテルで大動脈弁の位置まで誘導し、自己の弁尖を除去せずに人工弁を留置します。

経カテーテル的大動脈弁置換術1
経カテーテル的大動脈弁置換術2

TAVIはどこから治療するの?

人工弁を運ぶ4つのアプローチ方法の図

 大動脈弁まで人工弁を運ぶ方法として、経鎖骨下動脈アプローチ、経大動脈アプローチ、経心尖アプローチ、経大腿動脈アプローチの4つのアプローチ方法があります。患者さん個人個人の解剖学的特性を考慮した上で、どのアプローチ方法でTAVIを実施するのか決定します。
 日本国内においては、90%以上が経大腿動脈アプローチで治療が実施されています。

経大腿動脈アプローチ

経大腿動脈手術のアプローチの画像1~5と手術中の様子の写真

経大腿動脈アプローチ(補足:エドワーズ社より提供)

経大腿動脈アプローチ

TAVIに使用する人工弁

バルーン拡張型の人工弁と手術機器の写真
事故拡張型の人工弁と手術機器の写真